ブログ(脅威調査)

親中派のインフルエンス・キャンペーンが、 数十ものソーシャル・メディア・プラットフォーム、Webサイト、7カ国語以上のフォーラムに拡大。 米国におけるデモなどの抗議活動への動員を誘導

2019年6月、Mandiant Threat Intelligenceは、Twitter、Facebook、YouTube上の数百の非認証アカウントからなる親中華人民共和国(PRC)のネットワークに関する報告を初めて行いました。このネットワークは当時、香港での民主化抗議活動の信用を落とすことに主眼を置いていました。それ以降、一連の活動はより広範となり、規模と範囲が急速に拡大し、2019年8月にTwitterが関連アカウントを削除したことで、広く世間の注目を集めました。他にも、GoogleのThreat Analysis GroupGraphikaAustralian Strategic Policy InstituteStanford Internet Observatory and the Hoover InstitutionCentre for Information Resilienceなど、数多くの研究者がこの一連の活動のさまざまな側面について調査結果を発表しています。

2019年半ばにこのキャンペーンの追跡調査を開始して以来、その戦術には複数の変化が見られました。その多くはすでに他の場所で公に報告されていますが、アカウントのプロフィール画像に人工的に作成された写真を使用したり、COVID-19パンデミック関連、中国の反体制派である郭文貴氏とその仲間の批判、米国の国内政治問題関連など、時事問題に関連する多種多様な話題を拡散したりしています。今回のブログでは、これまであまり公に報告されていないこのネットワークにおけるその他の進化について、監視すべき重要な2つの動きを早期に警告することを目的としています。

  • 活動の範囲は、使用されている言語やプラットフォームの観点から、これまで考えられていたよりもはるかに広範囲にわたっています。これまでの報告は、英語と中国語の活動が、ソーシャル・メディア大手のFacebook、Twitter、YouTubeで行われているとしていることがほとんどでした。しかし、現在では、30のソーシャル・メディア・プラットフォーム、40以上のWebサイトやニッチ・フォーラムで、ロシア語、ドイツ語、スペイン語、韓国語、日本語などの言語を使って親中派の活動が行われていることが確認されています。あるプラットフォームでは数百から数千ものアカウントで活動し、また別のプラットフォームでは少数のアカウント数で活動している状況も見受けられます。これらの観察結果を総合すると、このキャンペーンの背後にいるグループは、オンラインでの活動範囲を大幅に拡大し、できるだけ多くのプラットフォームで存在感を示して、世界中のさまざまな人々にリーチしようとしているように見えます。
  • このネットワークのアカウントは、COVID-19のパンデミックに対応して、米国内におけるデモ活動に物理的に動員しようと積極的に呼びかけていますが、こうした試みが現実の活動につながった形跡はありませんでした。以前のレポートでは、Twitter上でのネットワークとのエンゲージメント例は限定的であることが強調されており、同様にソーシャル・メディアとニッチのオンライン・フォーラムの両方においてもネットワークとのエンゲージメントは限定的である状況を追跡し続けてきましたが、今回の物理的な活動への動員を求める直接的な呼びかけは、これまでに比べて大きな進展であり、中国の領土外での現実の活動へと誘導しようとする意図が新たに生まれたことを示している可能性があります。今回の試みは成功していないように見えますが、後にネットワークがより大きなエンゲージメントを創出することを実現した場合に備えて、このような試みを監視し続けることが重要だと考えています。

7カ国語以上を用いて数十ものソーシャル・メディア・プラットフォーム、Webサイト、フォーラムに拡大する活動

これまでに報告されているFacebook、Twitter、YouTubeでの活動と同様に、30のソーシャル・メディア・プラットフォーム、40以上のWebサイトやオンライン・フォーラムで、疑わしいアカウント間連携が確認されています。これらのアカウントは、類似多くの場合同一のメッセージを投稿し、テキスト、画像、動画コンテンツの共有、コメント、「いいね!」に注力しています。例えば、以下のようなものがあります。

  • コロナウイルスは中国の研究所で作られたと主張する、中国の反体制派である郭文貴氏、元ホワイトハウス首席戦略官のスティーブ・バノン氏、中国のウイルス学者である閆麗夢博士を「嘘つき」だとする、同一のテキスト投稿、画像、動画をVimeo、Vkontakte、TikTokなどのアカウントで何千件も確認しました(図1)。動画には、中国語や英語の自動音声など、これまでの親中国ネットワークでみられた典型的な特徴が見られました。
  • また、あるプラットフォームのアカウントが、他のプラットフォームのソーシャル・メディアのハンドルネームをそのままプロフィールに記載している場合もあります。例えば、ロシア語、英語、ドイツ語で投稿しているLiveJournalのアカウントが,英語で投稿しているTwitterのアカウントに対応するハンドルネームを提供していることが確認されています(図2)。また、モデル写真やストック・フォトなどのプロフィール写真も、異なるプラットフォームのアカウントで同じものを流用しています(図3)。また、フォーラムへの投稿では、ネットワーク内の他のアカウントにリンクしている例も確認されました(図4)。


図1:Vimeoアカウント(左)が、TikTokアカウント(右)と同じ動画を共有


図2:Twitterアカウント(右)にリンクするLiveJournalアカウント(左)。アカウントは同一のプロフィール写真と表示名を使用


図3:Tumblrアカウント(上)は、LiveJournalアカウント(下)と同じプロフィール写真を使用


図4: フォーラムの投稿がネットワーク内のTwitterアカウントにリンクしている

これまで広く報道されてきた典型的な英語や中国語の活動に加えて、ロシア語、ドイツ語、スペイン語、韓国語、日本語のコンテンツが米国内外のプラットフォームで広く推進されていることが確認されました。これは、親中派の活動に対する私たちの総合的な理解を深める上で重要な意味を持ちます。例えば、以下のようなものです。

  • LiveJournalに投稿されたロシア語の記事では、米国のFt. Detrickがコロナウイルスの発生源であり、中国は「発生源ではない」と主張しているのが確認されました。この一連の活動の話題は、2020年初頭から中国の国営メディアでも長く宣伝され、大々的に報道されてきました(図5)。さらに、LiveJournalとVKontakteの両方で、未確認の研究結果を引用して、COVID-19が早ければ2019年12月にも米国に出現する可能性があると主張していたネットワークと紐づけたアカウントによるロシア語の投稿が確認されています。
  • 複数の非認証VKontakteアカウントが、2019年後半に米国や中国以外の場所でCOVID-19に感染したと主張する個人が所属する正規の英語のTwitterアカウントと思われる投稿を、ロシア語に翻訳して再投稿している事例を複数確認しています(図6)。また、ネットワーク内のVKontakteアカウントによる、台湾や香港が中国の領土であるとするロシア語の投稿も少なからず確認されました。
  • LiveJournalとアルゼンチンのソーシャル・メディア・サイトTaringaでは、ドイツ語とスペイン語でCOVID-19の起源を疑うコンテンツが見られました。LiveJournalのドイツ語の投稿では、未確認の研究結果を引用して、COVID-19が2020年1月以前に米国で出現した可能性があると主張し、Taringaのスペイン語の投稿では、米国のFt. DetrickがCOVID-19の発生源であると主張し、中国よりも前に米国と欧州でウイルスが出現したとする第三者の記事にリンクしていました(図7および8)。
  • また、ロシア語やドイツ語の投稿の中には、文法上の誤りが繰り返し見られるものがあり、これらの言語を母国語としない人が作成した可能性があります。例えば、女性ブロガーが運営しているとされるロシア語のLiveJournalの投稿では、「Я увидел」(訳注:「私は見た」)というフレーズは、女性のロシア語話者が書いた場合、「увидела」とするべきところを、男性形の動詞が使われていました。(図9)。
 


図5:LiveJournalアカウントは、「米国のFt. DetrickがCOVID-19の発生源」、「中国はウイルスの発生源ではない」と主張するロシア語の同一テキストが宣伝されている

図6:VKontakteの非正規アカウント(上)が、英語の正規Twitterアカウント(下)の投稿をロシア語で再投稿している様子


図7:LiveJournalのアカウントが、COVID-19が2020年1月19日以前に米国で出現した可能性があると主張するドイツ語の同一文章を投稿している様子


図8:スペイン語のTaringaアカウントがCOVID-19の出所を疑うような記事や文章を投稿

図9:LiveJournalのアカウントが、2019年後半から2020年前半にかけて、米国のネット・ユーザーがCOVID-19に感染したと信じていることをほのめかす、文法上誤りのある同一のメッセージをロシア語で投稿

米国の抗議者を物理的に動員しようとする試み

2021年4月には、アジア系アメリカ人に対する米国での人種差別への抗議を呼びかけたアカウントから、英語、日本語、韓国語などの言語による数千件の投稿、画像、動画が複数のプラットフォームに投稿されました(図10)。これらのアカウントは、特にアジア系アメリカ人に対して、4月24日にニューヨークで抗議活動を行い、閆麗夢博士、郭文貴氏、スティーブ・バノン氏が引き起こしたとされる「噂」に「反撃」するよう呼びかけており、郭氏が住んでいるとされる住所を晒しているものもありました。


図10:日本語(左)、韓国語(中)、英語(右)のTwitterアカウントによる物理的な抗議活動の呼びかけ(注:アカウントに記載されている住所は消しています)

その後、ネットワーク内のアカウントが、アジア系アメリカ人やその他のマイノリティ・グループ、白人の抗議者が参加したとして、提唱された4月24日のニューヨークでの抗議活動を成功させたように表現する投稿を確認しました(図11)。また、これらのデモ参加者が郭文貴氏の「支持者」に遭遇し、「暴力を振るわれた」とする投稿もありました。この活動の一環として、抗議者と称する人が持っている看板に閆博士の顔を重ね合わせた画像が加工され、ソーシャル・メディアのほぼすべてのプラットフォームやフォーラムで共有されているのを確認しました。この画像は、2021年4月23日前後にニューヨーク州ジェームズタウンで開催された人種差別に反対する集会で撮影された写真を加工したものであることが判明しました(図12)。


図11:Mediumのアカウント(左)とUnderlinedのアカウント(右)が、アジア系アメリカ人が米国で人種的暴力に抗議したとする同一の文章を投稿しており、左の写真に写っているサインは合成写真です


図12:合成写真で閆博士の顔が描かれた看板(左)がほぼすべてのプラットフォームで共有されている(右が元の写真)

このような主張にもかかわらず、4月24日にこれらの呼びかけがデモ参加者の動員に成功したことを示す証拠は何も見られませんでした。しかしこのような試みは、この活動の背後にいる攻撃者が、米国の内政に影響を与えるためのより直接的な手段を、たとえ限定的であっても模索し始めていることへの早期の警告となります。私たちは、このような試みに注意を喚起し、オブザーバーが今後もこのような試みを監視し続けることが重要だと考えています。

結論

今回のブログでは、これまでの親中派キャンペーンの影響が限定的であったにもかかわらず、監視を続けるべき重要な2つの動きをいち早くお伝えしたいと考えています。第一に、この活動は、ソーシャル・メディアの大手3社だけでなく、少なくとも30のソーシャル・メディア・プラットフォームと数十のウェブサイトやフォーラムで行われており、言語も英語と中国語だけでなく、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、韓国語、日本語と多岐にわたっています。このことから、キャンペーンの関係者はオンラインでの活動範囲を大幅に広げ、できるだけ多くのプラットフォームで存在感を示し、世界中のさまざまなオーディエンスに届けようとしていると考えられます。第二に、米国で抗議者を物理的に動員しようとする試みは、責任者がより直接的な影響力の手段を模索し始めている可能性を早期に警告するものであり、中国の領土外で現実の活動を動機付ける意図が生まれつつあることを示しているのかもしれません。

 

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原文:September 8, 2021 「Pro-PRC Influence Campaign Expands to Dozens of Social Media Platforms, Websites, and Forums in at Least Seven Languages, Attempted to Physically Mobilize Protesters in the U.S.